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世界最高峰が集結 ― 鈴鹿1000km復活

世界最高峰が集結 ― 鈴鹿1000km復活

+33台のエントリーのうち11チームがプロクラス
+IGTCマニュファクチャラーズ選手権はBMWとポルシェが14ポイント差
+ファーフスとファン・デル・リンデがドライバーズ選手権で激しいバトルを継続
+Entry list: Suzuka 1000km

日本の夏を象徴する耐久レース「鈴鹿1000km」が、ついにインターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)に復帰します。今週末、33台のGT3マシンと8メーカーが参戦予定です。

2019年以来の開催となるアジア最古のスポーツカーレースは、今季IGTCの最終戦の一つ手前、重要な第4戦として位置づけられています。日曜のチェッカーを迎えるころには、3つある選手権のうち2つが決定する可能性もあります。

開幕2戦での勝利により、マニュファクチャラーズ選手権をリードしているのはBMW。一方、ドライバーズランキングではアウグスト・ファーフスとケルビン・ファン・デル・リンデがわずか2ポイント差で首位争いを展開中です。バサーストで勝利したラルフ・ボーン、スパを制したケニー・ハブルは、インディペンデントカップで同点首位に並んでいます。

さらに、スパ24時間を除けば過去最大規模となるインターコンチネンタルエントリーが鈴鹿に集結。33台のうち26台がIGTC登録メーカー(BMW、フェラーリ、メルセデスAMG、ポルシェ)に属しています。各メーカーの上位2台がマニュファクチャラーズポイントを獲得し、ドライバーにはトップ10方式でポイントが付与されます。

また、伝説の鈴鹿で走る機会は、2016年以来最大規模となるインディペンデントカップのエントリーを呼び込みました。アンタレス・オウ、エイドリアン・ディシルバ、ジョナサン・ホイらがボーン、ハブルに挑み、来月インディアナポリスでの最終戦を前に25ポイントを狙います。

その他、アウディ、コールアウェイ、シボレー、日産は総合優勝およびクラス優勝を目指して挑みます。


鈴鹿の豪華エントリー ― 勝利候補が目白押し

カテゴリー別ではブロンズが最多の12台で、プロはそれに次ぐ11台。プロアマ5台、シルバー3台、アマ2台が続きます。総合優勝や大半のIGTCポイントは、やはりメルセデスAMG、ポルシェ、BMWのプロ勢から生まれる見込みです。

BMWの4連勝を止めたのは、スパで総合2位に入りIGTCポイントを最多獲得したポルシェのアレッシオ・ピカリエロ、パトリック・ニーダーハウザー、スヴェン・ミューラー。今回はシュトゥットガルト陣営の4台のプロエントリーに分かれて参戦し、ピカリエロはBMW勢以外で最上位のランキングにつけています。

さらにポルシェ・モータースポーツ・アジアパシフィックは往年の名カラーリングを復刻。1981年鈴鹿1000kmで優勝したクレーマー935 K3のデザインをオリジン・モータースポーツが、ル・マンを2連覇したNewManカラーをアブソリュート・レーシングが、そして1971年初登場の伝説的「ピンクピッグ」をファントム・グローバル・レーシングがまといます。

BMWに対しポルシェは14ポイント差で追う立場ですが、鈴鹿では11台対3台という数的優位に加え、世界耐久王者ケビン・エストレとローレンス・バントールの存在で、最終戦前に逆転のチャンスを狙います。

一方BMWは、今週末にリードを広げ、マニュファクチャラーズタイトルを決めに行きます。そのためには、2台のプロと1台のブロンズでの結果により、リードを44ポイント以上(インディアナポリスでの最大得点+1)に広げる必要があります。

強力な布陣のBMWワークスは、ランキング首位のファーフス(2019年鈴鹿でポールポジション獲得)が若手スターのダン・ハーパー、マックス・ヘッセと組み、もう1台はファン・デル・リンデ(昨年10時間の勝者)が2018年覇者ラファエレ・マルチエッロ、そしてIGTC現王者シャルル・ウィールツと共に挑みます。

メルセデスAMGは2018年の鈴鹿10時間覇者GMRを筆頭に、クラフトバンブー、グッドスマイルが参戦。ミカエル・グルニエ、マキシム・マルタン、ルカ・シュトルツのファクトリーラインアップに加え、クラフトバンブーの太田格之進(スーパーフォーミュラタイトル争い中)も日本の注目株です。彼はマキシミリアン・ゲッツ、ラルフ・アーロンと組みます。

グッドスマイルからは谷口信輝、片岡龍也、そして小林可夢偉が再びトリオを組み、2018年・2019年の鈴鹿10時間同様に参戦します。

IGTC登録メーカーであるフェラーリは、今回はプロエントリーがなく、ブロンズとプロアマ5台で参戦。GTワールドチャレンジ・アジアやジャパンカップのチームが中心です。ユーモラスなカラーリングで知られる「ラーメンロケット」や、Maezawa Racingの296(トマ・ヌーベールと横溝直輝、前澤友作のトリオ)が参戦。岡山でジャパンカップ勝利を収めたPONOS RACINGの辻子依旦、ケイ・コッツォリーノも注目です。元F1優勝者ジャンカルロ・フィジケラもLM Corsaから参戦予定です。

そのほか、JMRのコルベットはIGTCポイント対象外ながら、アレクサンダー・シムズ、ニッキー・キャッツバーグ、そしてインディカーやスーパーGTでも活躍するスコット・マクラフリンが乗り、優勝候補と目されています。マクラフリンにとっては2018年バサースト以来のIGTC参戦です。

日産はチーム・ハンドワーク・チャレンジがGT500常連の佐々木大樹、木村偉織、三宅淳詞を起用しプロ参戦。さらに5ZIGENも金丸ユウ、青木孝行、現GT300王者・元嶋佑弥のシルバークルーで勝利を狙います。同チームは昨年の鈴鹿GTワールドチャレンジ・アジアでもGT-Rで勝利しています。

アウディは2019年の再現を目指し、Audi Sport Asia Team Phantomが挑戦。観客人気の高いBingo Racingのキャラウェイ コルベットC7-Rも加わり、計8メーカーが顔を揃えます。